【全人類待望】The Bargainsシングル『Groovy』が配信スタートしたので解説してみた!!

2024年でデビュー25周年を迎えたThe Bargains。本年第一弾となる配信シングル「Groovy」(c/w「Survival」「花園」)が1月17日各配信サービスにてリリースされた。

▼各配信サービスリンク
https://big-up.style/zY5hEPAAf9

「Groovy」という楽曲はコロナ禍の2021年に誕生した曲。ソリッドでプリミティブなロックの衝動をそのまま真空パックしたピート・タウンゼントも真っ青のブリティッシュビート楽曲だ。最近のライブでは必ず演奏され、聴衆の手拍子も巻き込んで、会場を興奮の坩堝へと叩き込むキラーチューンになっている。

2022年初頭の《いきなりステージ》で初演奏がアップされた。70年代初頭のピート・タウンゼントは白いオーバーオールだったが、田島氏はデニム地のオーバーオールで対抗。三宅氏は黒のレスポールと“Ready Steady Go”のパーカーでオマージュをしている(※60年代英国の人気TVショー『Ready Steady Go!』にThe Whoは出演している)

世界最小のロックバンド、ザ・バーゲンズの面目躍如たる二人の演奏も最高なのだが、ライブでは様々なアレンジで演奏がされていった。

2023年10月に行われたライブでは、バーゲンズ三宅氏の高校時代のバンドメイトで、名プロデューサー伊秩弘将氏とのコラボレーションが実現している。

同じく2023年10月に行われたワンマンライブでは、杉野寿之(Dr)/ 宍倉充(Ba)の2名を加えた強固なバンドサウンドとなり、超絶クールでエキサイティングなサウンドで聴衆を魅了した。

誕生から3年間ライブで温められ、満を持して2024年に正式音源としてリリースされた。全人類待望、否、全宇宙物質待望のリリースと言っても過言ではない。

レコーディングされた音源に耳を傾けてみると極みのサウンドメイクの神が細部に宿っている。ブライアン・ウィルソン、ポール・マッカートニーに匹敵する野太くメロディアスな三宅氏のベースライン。ギターもフィードバックノイズを多用し『Give Out But Don’t Give Up』期のプライマル・スクリームのような、90年代ネオサイケ風のアレンジになっている。ドラムもキース・ムーンばりのグルーヴをしっかり叩き出している。ライブ感を保ちながらもソフィスティケイトされた極上のブリットポップになっており、ザ・バーゲンズの恐ろしいポテンシャルが封じ込められた一曲に仕上がった。是非、ダウンロード購入した音源にてお楽しみ頂きたい!


カップリングナンバーについても言及してみたい!

「Survival」は家ライブ企画《いきなりステージ》2020年4月の幕開けを飾ったナンバーだ。世界中がコロナ禍に見舞われた直後から始まったいきなりステージ。彼らの代名詞たる「ジンセイ」や「I’m home」に通じるお茶の間系ポップスで、市井の人々への応援ソングは、ザ・バーゲンズらしさ全開の一曲だ。

4年の時を経て、ビルドアップし生まれ変わり、今回晴れてカップリング曲としてレコーディングされた。


「花園」は、2022年8月に《いきなりステージ》で初披露されたファンタジックなナンバー。

思わずジェネシス系フォロワーの名バンドEnglandの名盤『Garden Shed(枯葉の落ちる庭園)』を想起してしまう世界観で、The Whoからプログレまでオールジャンルのブリティッシュロックを包含するザ・バーゲンズの懐の深さには驚きを隠せない。

今回レコーディングされたバージョンに耳を傾けてみると、その浮遊感は80年代英国シューゲイザー系のコクトー・ツインズにも通じる夢見心地サウンドになっている。またバグパイプを模したケルト風な音階は、ブリティッシュ・トラッドへと回帰しており、彼らの英国音楽への深い造詣を感じさせる。
都会派音楽集団ムーンライダーズが80年代に発表した「くれない埠頭」のノスタルジック感や「花咲く乙女よ穴を掘れ」のケルトテクノ風味をも受け継いだ名アレンジとなっているので、ポップマニアでなくても聴き逃すことはできない。


本年2024年は、ザ・バーゲンズのシングルリリースが続くとのことで、ブリティッシュロックファンには、彼らの高純度な音楽世界が堪能できるワックワクの一年になりそうだっ!!

2024年1月吉日
Queen遺伝子探究堂 Varuva

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です