【天使への御礼】“ANGEL JAPAN TOUR 2024” TOKYO(私的)LIVEレポート!!

「ああ、遂にあのANGELを日本で見れた….マジで凄かった…..既にANGELロスが止まらないっ!」

COVID-19の蔓延で、2020年の来日予定からの延期に次ぐ延期。4年間ものお預けを食らいつづけ、晴れて2024年の JAPAN TOURに参加できた幸運なANGELファンの皆様の偽らざる心境ではないでしょうか?
(中には47年前の来日ツアー中断のあおりで、47年間待ち続けたファンもいるとか、いないとか!?)

かくいう私も、SNS上で次々に2020年チケットを払い戻される方々を横目で眺めながら「ANGELの来日公演は無理だろうな…」と一抹の不安を抱き「チケットは払い戻してしまえっ!」というジーン・シモンズばりの悪魔の囁きに耳を傾けそうになっておりました(嘘です。めんどくさがって放置していただけです(汗))

手元にRISEN TOUR 2020のチケットがある事も忘れかけていた2024年。コロナ制限も完全解除され、なんとANGELが来日するというでは、アーリマセンカッ!!当然チケットは再購入かと思いきや、2020のチケットが有効だという太っ腹企画!日本のファンも、ANGELのメンバーも、そしてRubicon Musicも、それぞれのあくなき来日ツアーへの執念が実り、結果的には約半世紀ぶりの来日ツアーに漕ぎ着けたのは奇跡としか言いようがない!!

日を7月13日代官山UNiTと定め、なんだか祈るような気持ち(また、謎の悲運が巻き起こって来日中止になりませんように~(T人T))で当日を迎えた。

ANGELの入場BGMは荘厳でクラシカル。Youtubeに上がっていた1977年の来日ツアー時のオープニングのBGMだとわかった時に “これがANGELにとっての47年ぶりのリベンジマッチなのだ!” と実感し、鳥肌が立った!!

「Opening BGM」/ “ANGEL JAPAN TOUR 2024”(TOKYO Daikanyama UNiT 7.13)

もう、そこからは怒涛のアメリカン・ハード・ロックのオンパレード。

正直、度肝を抜かれた。

パンキーもフランクも70代。そこまで激しいパフォーマンスは期待できないし、してはいけない。なので相当ハードルを下げた状態で身構えていた感もあった。

ところがどっこい、本場の本物のアメリカン・ハード・ロックの、歴戦の強者が奏でるポップなハードロックは次元が違っていた。正直、レジェンドクラスのロックバンドは、リズム隊(ドラムやベース)の高齢化により、重いビートやグルーヴに弱点を抱えていると感じていた。しかし、再結成されたANGELのリズム隊のビリー・オリコ(Dr)とトミー・カラドナ(Ba)は脂の乗り切った年代。70年代当時のドラマー、バリー・ブラントの荒々しいドラミングを彷彿とさせる最高のハードロック・グルーヴが、主軸のフロント二人を支えていた。この構図により、新生ANGELの蘇り感が半端ないと感じたのだった!

セットリスト2曲目で「CAN YOU FEEL IT(幻想の美学)」(超名盤3rd『On Earth As It Is In Heaven(舞踏への誘い)』より)が披露された時点で、70年代ロック・ダイナミズムのうねりが、そこに具現化されており、タイムスリップしたような不思議な感覚におちいった。

「CAN YOU FEEL IT」/ “ANGEL JAPAN TOUR 2024”(TOKYO Daikanyama UNiT 7.13)

余談だが、ANGELという存在はQUEENなしには語れない。70年代当時はヒラヒラとした王子様ファッションに身を包み、米国のQueenクローン(英国のThe Beatlesに対する米国のThe Monkeesの関係にも似ている)のような売り出し方でKISSと同じカサブランカレコードよりデビューしている。そのイメージによりQueen人気の高かった日本では人気になったものの硬派なロックファンにまで、その存在をアピールできないで(一度)終わった感もある。しかし今日的な耳で当時のANGELの作品群に耳を傾けると、Queenとは違った極上で普遍的なポップハードを奏でていた事がとても良くわかる。

1977年の来日中止の後、日本でのANGEL人気は下降線を辿ったようだが、本国アメリカではそのあたりからジワジワとチャートインしだした。4thアルバム『White Hot(天使の反逆)』収録の「Don’t Leave Me Lonely」は当時アメリカのライブでのコール&レスポンスが定番となっていたナンバーで、2024年の日本でこの曲を体験できたのは感無量以外の何物でもない!

「Don’t Leave Me Lonely」/ “ANGEL JAPAN TOUR 2024”(TOKYO Daikanyama UNiT 7.13)

さらに特筆すべきは、リズム・ギターのダニー・ファロウの存在感だろう。どっしりとした体形でステージングこそはやや地味だが(とは言えベースのトミー・カラドナとキメ振りをしたり最高のパフォーマンスも)パンキーとフランク双方のソロアルバムに関与している彼は、実は新生ANGELの中心的存在。パンキーも全幅の信頼を寄せるリズムギターで、ライブでも中心的な立ち位置で新生ANGELの芯を貫いている感がビシビシと伝わってきた!「ワシがANGEL再結成の立役者やで!みんなもっとノラんかいっ!」と目で訴えかけているような気さえした(なんで関西弁かは不明ですw)

今回のセットリストを見てみると、復活アルバムの『Risen~華麗なる復活~』から「We Were The Wild」、最新アルバムの『Once Upon A Time~禁断の天使~』から「It’s Alright」のたった2曲のみで、それ以外はすべて70年代の代表的なナンバーで構成されていた。

13-7-2024 セットリスト(アルバム収録内容順)

①『Angel~天使の美学~』
 「Tower」
 「Rock & Rollers」
②『Helluva Band~華麗なる貴公子~』
 「Feelin’ Right」
 「The Fortune」
 「Mirrors」
 「Pressure Point」
③『On Earth As It Is In Heaven~舞踏への誘い~』
 「Can You Feel It」
 「On The Rocks」
 「Cast The First Stone」
④『White Hot~天使の反逆~』
 「Don’t Leave Me Lonely」
 「Ain’t Gonna Eat Out My Heart Anymore」
 「Got Love If You Want It」
⑤『Sinful~蘇った天使たち~』
 「Bad Time」
 「Wild And Hot」
⑥『Risen~華麗なる復活~』
 「We Were The Wild」
⑦『Once Upon A Time~禁断の天使~』
 「It’s Alright」

以上のように70年代のアルバムからバランスよくピックアップされたナンバーがセットリストの中心。それだけANGELにとって輝かしい70年代の記憶があり、それを日本で披露することに強い拘りがあったのではないだろうか。それは1977年の消化不良の来日ツアーの黒歴史に決着をつけるかのようなセットリストだった(しかし、47年の時を経て当時のナンバーを遜色なく、バリバリ演奏できるパンキーとフランクは、ロックンロール魔神以外の何者でもないのだが….!!)

アンコールで「Tower」が演奏された際には、この時空を超えた奇跡のギグが永遠に続いて欲しいと誰もが願わずには居られなかったはずだっ!!

「Tower」/ “ANGEL JAPAN TOUR 2024”(TOKYO Daikanyama UNiT 7.13)

….ANGELの良さは説明が難しいのですが “Queenのような華麗な70年代風ロックンロールを米国人の感性で焼き直して、英国的な神経質さを取り除いて、とにかくハードにダイナミックにご機嫌にドライブしまくる”部分だと思います(同時期の70年代後半のアメリカン・メロディック・ロック勢でいうとTouchやNew Englandのようなバンド群が近い)

もう、これで日本における「〇年ぶりの~」とか「悲劇の~」みたいな形容詞を必要としなくなったANGEL。今後は年1回のペースでよいので、日本でのびのびとツアーをして頂いて、時間が許す限り、そのロックンロール魔神ぶりを発揮し続けて欲しいのです!!

天使御礼!
満願成就!!
合掌礼拝!!!


2024年7月16日
Queen遺伝子探究堂VARUBA

One comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です