第4部のラスボス・吉良吉影のスタンド名がキラークイーンだ。Queenの1974年のヒット曲「Killer Queen」に由来している。Queen3枚目のアルバム『Sheer Heart Attack』に収録された初期のヒット曲。歌詞にも “彼女はキラークイーン、レーザービーム付きダイナマイト” と出てくるので、この曲が吉良の爆弾スタンド能力にインスパイアを与えているとも考えられる。例えば吉良吉影が実はQueenが大好きで、幼少期から聴いて育った事でこの能力が発現したと考えると、また一興だ。

吉良吉影のスタンド、キラークイーンの左手から発動される自動追尾型爆弾シアーハートアタック。Queen3枚目のアルバムタイトルと同じであるが、「Sheer Heart Attack」という曲そのものは6枚目のアルバム『世界に捧ぐ』 (News Of The World) に収録されている。曲自体は3枚目の頃にあったが収録が見送られ、6枚目のアルバムに収録となった。ロジャー・テイラー作のパンキッシュでストレートな楽曲。

4部の最終バトルで、吉良吉影が東方仗助たちに追い詰められた事で発動した第三の爆弾バイツァ・ダスト（負けて死ね）。吉良の正体を探ろうとする者を爆殺し1時間ほど時間を巻き戻すという能力だ。80年の全米No1になった「Another One Bites the Dust (邦題:地獄へ道連れ)」に由来している。Queen通算8枚目のアルバム『ザ・ゲーム』に収録された寡黙なベーシスト、ジョン・ディーコン作のダンサブルなナンバーだ。

第6部の最終章に出てくるディオの息子ウンガロ（5部のジョルノ・ジョバーナの異母兄弟）のスタンド名はその名も「ボヘミアン・ラプソディー」。映画にもなったQueenの1975年の大ヒット曲だ。ファンタジー世界のキャラクターが現実化し人間を襲うというスタンド能力で射程距離は世界中。まさに世界中を虜にした名曲・名画のような破壊力を持つスタンド能力だといえるだろう。

第6部のラスボス、プッチ神父のスタンドのホワイトスネイクが最終進化した姿が「メイド・イン・ヘブン」だ。ジャンプ連載時では「天国への階段（Stairway to Heaven）」というレッド・ツェッペリンの曲名がスタンドネームだったが、コミック収録時に諸般の事情で「メイド・イン・ヘブン」に改編されている。時間を加速させ宇宙を終わらせて新たな宇宙を創るという、ディオの悲願だった天国へ行く方法を実現した能力。第1部からのジョジョ世界線を終焉させてしまった能力なので、ファンからは賛否が渦巻いている。フレディ・マーキュリー死後の1995年にQueenが発表したアルバム『Made In Heaven』（元はフレディのソロ曲名）に由来する。