来月2024年7月に、実に47年ぶりの来日公演が実現しようとしているアメリカン・ハードロックバンドのエンジェル。70年代当時、KISSの対抗馬として売り出され、ある程度の成功を収めたもののプロモーションの問題で80年代には意気消沈。1977年には日本での武道館公演も実現するが、日本のプロモーターの倒産で全公演行われる事なくゴタゴタのうちに帰国してしまった。2020年には新作『Risen~華麗なる復活~』を引っ提げて久々の来日公演が決定していたが、コロナ禍が全世界を襲い、来日公演はずっと棚上げ状態になっていた。
“もう、日本でエンジェルを観ることは不可能なのか・・・”
という思いが日本のファンの脳裏をよぎった。だが、ルビコン・ミュージック等の飽くなき調整により、遂に念願の来日公演が2024年7月に実現しようとしている!来日公演の日程は以下の通り。チケットはこちら。
■2024年7月12日(金) 東京・代官山UNiT OPEN 18:00 / START 19:00
■2024年7月13日(土) 東京・代官山UNiT OPEN 17:00 / START 18:00
■2024年7月14日(日) 名古屋・大須 LEGEND HALL / OPEN 17:00 / START 17:30
■2024年7月15日(月) 大阪・梅田amHALL OPEN 18:00 / START 19:00
これまでエンジェルへの考察を重ねてきた当メディアでも、この47年ぶりの奇跡の来日公演の機運を最高潮に盛り上げていきたい!そこで今回は1980年にリリースされた名ライブ盤の呼び声高い『LIVE WITHOUT A NET』を掘り下げてみたい。
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こちらのライブは1978年のカリフォルニア州ロサンゼルスでの公演の模様を収めたモノで、1980年に当時LP二枚組でリリースされている。4thアルバム『White Hot ~天使の反逆~』(1977)のリリース後のライブという事もあり、収録されたナンバーは、この時点でのグレイテスト・ヒッツといった様相を呈している。次作で事実上の最終アルバムとなった『Sinful~蘇った天使たち~』(1979)に収録された「Wild And Hot」「Got Love If You Want It」も収録されている点も興味深い。モット・ザ・フープルの「すべての若き野郎ども」のカバーも演奏されておりエンジェルのルーツをたどる事もできる。
またバンドが最もあぶらの乗った時期でもあり、迫力のライブ演奏は彼らがどれだけ最高のライブアクトだったかを物語っている。フランク・ディミノのボーカルは自信に満ちたロックアイコンとして十二分に機能している。オリジナルドラマーのバリー・ブラントの荒々しくダイナミックなドラミングはこの時期にしか聴けないグルーヴだ。「On The Rocks」等で聴けるグレッグ・ジェフリアのプログレッシブなキーボードプレイにも一段と磨きがかかっている。パンキー・メドウズのゲインを上げたヒリヒリとしたギタープレイも超最高だっ!
78年当時から加わったベーシストのフェリックス・ロビンソンが奏でるベースソロが印象的な「Over And Over」も今作のハイライトとなっている。
因みに、パンキー、ディミノ、フェリックスのオリジナル・エンジェルの3名のコラボ楽曲が2017年に発表されており、このコラボが2019年のリユニオン作『Risen~華麗なる復活~』に繋がった事はファンならずともご周知の事実だ。
『LIVE WITHOUT A NET』はどの曲にも、ライブならではのインプロヴィゼーションが含まれており、オリジナルアルバム収録の内容との違いも聴きとれる。改めて本作を聴き直すと、78年当時どれだけエンジェルのライブパフォーマンスが群を抜いていたのかを感じる事ができる。1975年に出たKISSの名ライブ盤『Alive!』と比較してもその迫力やクオリティは一切ひけをとっていない。
今作はサブスク配信もされているので、こちらに耳を傾けながら、来る2024年7月の半世紀ぶりの来日公演を心待ちにして生きたい。
また、Youtube上にある貴重な音源として、途中で中止になった1977年の日本武道館でのライブの模様がアップされている。登場のナレーション口上が独特のアニメーションのようで壮大だ。
天国で大天使ガブリエルが息子たちを一人一人呼び出して「天上の音楽を地上で遍く鳴り響かせて来い!」と、エンジェルのメンバーとして次々に降臨させていくという内容だ(笑)
観客の笑い声と歓声と悲鳴が入り混じったモノも聴きとれ、当時の日本での絶大な人気も伺い知れる。1977年当時、日本でこれだけの人気を誇ったバンドの47年ぶりの来日公演が来月に控えていると思うと、感慨深いモノがこみ上げてくるのではないだろうか!?
この奇跡の47年ぶりのエンジェル来日公演を眼前に控え、君も貴方も私も僕も、歴史の証言者になる日が刻一刻と迫っている・・・祈・大成功!!!
2024年6月吉日
Queen遺伝子探究堂 VARUBA