もはやQUEEN遺伝子が、現代の音楽シーンを席巻しているっ!!!


フレディ・マーキュリーが1991年11月24日に死去してから、20年以上の歳月が経った。

クイーンという音楽のあまりのオリジナリティ故か、はたまたクイーン・ファン自身の陶酔度の高さ故か、そのサウンドを少しでも模倣しようものならば、「パクリだ」・「偽物だ」・「二番煎じだ」と揶揄され、たとえ、クイーンに大変な影響を受けていたとしても、なかなかその影響を自身の作風に表しづらい状況が、1990年代までにはあった。

フレディ・マーキュリーが存命中はもちろんの事、死去して数年間は「クイーン・サウンド模倣タブー論」的な風潮が、どことなくあったような気がしてならない(90年代、世界的不況下の中でおきたグランジ・ブームに押されて、音楽シーンがクイーンのような煌びやかなサウンドを必要としていなかった節も勿論ある)

・・・しかし月日は流れ、そのような論争も一段落し、親の世代が聴きこんで来たクイーン・サウンドの影響下に育った若いアーティスト達が、前述のようなしがらみを感じる必要もなく、伸び伸びとクイーン・サウンドを奏で始めたのが、昨今の状況ではないのだろうか?
その先鞭を叩きつけたのが、ベルギー出身のBORN CRAINである。2007年に発表した「Walking In The Sun」では、エルトン・ジョンやフレディ・マーキュリー直系のピアノマンぶりを披露してくれた。曲調は、いかにもブリティッシュを思わす、ニヒルなイントロから、心躍るポップ・サウンドへと広がるナンバーで、既にベルギーではゴールドディスクに輝き、日本のFM局でもへヴィーローテーションになった。クイーンからの影響を公言している彼は1980年生まれ。

2007年には、もはや大物ブリティッシュ・コーラス・グループとなったTake Thatがアルバム『Beautiful World』の中から「Shine」という曲を発表した。こちらもクイーン風のコーラス・アレンジが光るポップナンバーで、英国国民が諸手をあげて喜びそうなナンバーをあえて披露しているあたりに、彼らの円熟の余裕を感じさせる。因みに「Shine」はUKチャート1位を記録し、彼ら自身の生涯で10度目のナンバー1シングルとなった。

同じく2007年、クイーン遺伝子の最本命とも言うべき、驚異の新人が現れた。レバノン出身のMIKAである。彼の放った、珠玉のポップ・ソング「Grace Kelly」は、そのサウンドや歌唱法にいたるまで、フレディ・マーキュリーの再来を思わすに十分なパフォーマンスであった。弾けるようなピアノ演奏と、ファルセットも駆使したヴォーカル、ポピュラリティのある存在感、何より自身が音楽そのもの、とでも言うような充実したパフォーマンスが見る者を魅了してやまない。そのような、天真爛漫な姿が、フレディ・マーキュリーの在りし日を、いやがおうでも連想させてくれる。デビューアルバム『LIFE IN CARTOON MOTION』の完成度も高く、クイーン・サウンドの進化系として、シザー・シスターズのディスコ風味や、フレイミング・リップスのアート感覚も兼ね備え、問答無用のポップ名盤となっている。今後の動向に目が離せないアーティストの一人だ。

そして2008年The Feelingが、ロンドンより世界に飛び出した。カレッジで出会った5人は、クイーンの影響下にありながらも、屈託のない、伸びやかな、陽だまりの中にいるようなポップサウンドをひっさげて、世界ツアーをこなしていった。
多くの先人たちのオープニングアクトを務めるなど、ライヴ・バンドとしての実力をメキメキつける中で発表した「JOIN WITH US」は、クイーン・ライクなサウンドが、ファンの心を躍らせた。同曲を冠にしたセカンド・アルバムも全曲、バランスのとれたファンキーかつ、最先端のポップサウンドで、確固たる地位を築いた。

同じく2008年初頭には、元ジェリーフィッシュの天才頭脳のRoger Joseph Manning Jr.が長い沈黙を破って「Solid State Warrior」に続く、最高のソロ作「Catnip Dynamite」を発表。クイーン・チルドレンの最高峰を突き進む、天上天下唯我独尊サウンドで、時空を飛び越えた彼方まで、聞き手を連れて行ってくれた。この作品の後は、テクノサウンドへと傾倒していく彼の、ポップ・マエストロとしての本気爆発作として、重要な一枚である。

2008年3月にセカンド・アルバム『Pretty Odd.』を発売したのが、アメリカのネバダ州出身の脱サラバンドPanic at the Discoである。彼らのクイーンやザ・ビートルズをイメージさせるような曲調は、聞いてすぐそれとわかるほど。ビルボードのデイリーチャートで初登場1位を獲得するなど、人気も上々だ。PVも話題となったセカンド・アルバムからのシングル「Nine In The Afternoon」は、ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」にクイーン風ハーモニーも加味しているかのようだ。ライブでは「キラー・クイーン」をカヴァーするなど、その影響をはっきりと打ち出している。続くシングルの「That Green Gentleman」はキンクスを連想させるほど、そのブリティッシュぶりは徹底している。

ここまで、BORN CRAIN、MIKA 、The Feeling、Panic at the Discoと、2000年代に活躍したバンドを紹介してきたのだが、そのどれにも共通するのが、クイーンの作風を直接的に打ち出し、なおかつ、マニアックに留まらず、しっかりとポピュラリティを湛え、そして爆発的に売れているという点だ。

今までだと、クイーン風というだけで、マニアックに括られ、レコード屋の隅に追いやられてきたのだが、今や、彼らは、試聴コーナーに大々的にフィーチャリングされ、レコード屋や、レーベル会社のドル箱アーティストになっている。その背景にある事の一つとして、ダウンロード等で、CDの売り上げが下がっている昨今、往年のファン層や、その子供たちにアピールする音楽が、てっとり早く、クイーン風であったということではないだろうか。市場のニーズに呼応するかのように、雨の後のタケノコのようにクイーン・チルドレン達が、発生してきたというのが、ひとつの現状だと言えよう。
とはいうものの、Take Thatといったベテラン・グループや、Roger Joseph Manning Jrといった職人肌のサウンド・クリエイターまで、伸び伸びとクイーン・サウンドを提示してくれている昨今、クイーン・サウンドに魅了されたポップ・フリークにとっては次に何が起こるのか、どんなアーティストが飛び出してくるのか、胸の高まりを抑えきれない、近年の状況だと言えよう。

2007年のフジロックにも出演したビーチボーイズ、トッド・ラングレン、クイーンに影響を受けたPaul Steelや、まだまだ、全く無名のThe Bloomと言った、恐ろしいポテンシャルを秘めたアーティストも、アンダーグラウンドから、虎視眈眈と、オーヴァー・グラウンドへの浮上を狙っている。


2000年以降は、クイーン・サウンドの影響を率直に、臆する事なく、思う存分発揮するサウンド・クリエイター達が、大手を振ってオーヴァー・グラウンドを席巻する!!!

否、すでに、オーヴァー・グラウンドはクイーン遺伝子たちが席巻しているのである!!!!!!!!!

Writing By ヴァルバロッサ

https://twitter.com/DNA_Queen

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