【奥深い音宇宙への旅ー】ALL IMAGES BLAZING 4th『CHANGE!』の真価とは!?


ALL IMAGES BLAZINGの通算4作目となるアルバム『CHANGE!』が2022年08月26日にリリースされた。

叙情性に富んだドラマチックな曲展開とサウンドは、世界中のプログレファンのハートを鷲掴みにする音律に満ち溢れている。前作『CRIMSON RED』でのポップ感覚はより洗練され、且つ彼らのコアとなる静と動を激突させたような迫力ある曲展開はより凄みを増し、国内外のプログレレジェンド達のエッセンスを極限までに抽出し濾過されたそのサウンドには一切のブレがなく、迷いなくこの音色を追い求め、表現しきった姿勢が、今作に克明に刻まれている。

前作のレビューにおいてQueenとの関わりを論じてみたわけだがALL IMAGES BLAZINGにとってのQueen的な部分はごくごく一部でしかなく、そこをフォーカスしてしまうとALL IMAGES BLAZINGそのものの真価を問う事が出来なくなってしまう。自身の偏った音楽遍歴で今作をレビューする事で、彼らの輝きを曇らせてしまう事にならないか?と一抹の不安が頭をよぎった。

しかしながら、今作はそんな杞憂をも吹き飛ばすほどの傑作となっているので、拙者のレビューでも『CHANGE!』の魅力の一端を紐解く事が出来るのかもしれない!と襟を正し直し、厚顔無恥にも書き連ねてみたい。

1.Overture
各パートが唸りをあげる素晴らしくシアトリカルなインストナンバーで幕を開ける。
小品だが、今作の緊張感を表す上でとても重要な役割を担っている。後半に行くにつれ盛り上がりを見せるギターは、今作から参加したYasu氏のギターオーケストレイション。今作のカタストロフを予感させる幕開けだ。

2.Love The Life You Live
鮮烈なギターリフと、ユーライア・ヒープやジェネシスを思わせるキーボードが絡みつく重厚なオープニングに否が応でも鼓動が高まる。続くジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ、という爽快なギター刻みはQueenの「Now I’m Here」を想起してしまった。怒涛のキーボードソロへとなだれ込むその様相はレインボーのトニー・カレイをも彷彿とさせる。また現日本のポップシンフォ最高峰、SPiRiTRiALの伊藤威明氏がコーラスで参加し楽曲の精度を高めている点も特筆される。

3.LUCA(流迦)
フックの効きまくったイントロから、乱高下するサビメロディへと展開する複雑な楽曲だ。変態的なメロディを生み出す片岡氏(Key)と、長年のコンビネーションを担ってきた田中氏(Vo)の阿吽の呼吸があるからこそ表現できる一曲。個人的にはこの不安定で複雑なメロディラインは、和製ジェネシスとその界隈での評価を不動にしている“たま”のプログレ名曲「カニバル」を彷彿とした。

4.When This Rain Stops
AOR的側面を発揮した美しいバラード曲。フレットレスベースの音色が何よりも気持ちいい。
サックスの音色も80年代のアメリカンプログレハード、ToToやエアプレイといったUS系の軽やかさがあり濃密な楽曲が詰まった今作の一服の清涼剤として素晴らしい効果を発揮している。
その情景を例えるならば
“SFアニメの最終回で、無限の宇宙に放り出され無重力のままに飛ばされていく、孤独な主人公を乗せた宇宙船がエンドロールバックで描かれてる”
そんなシーンにピタッとくる名曲だ。

5.Going Down
ダーティーなギターリフと、ドドドッという緊張感のあるドラミングが、今アルバムの重要曲である雰囲気を醸し出している。ミドルな曲展開がシンフォニックな音像とも相まって、えも言われぬ感情を湧き起こしてくれる。
近年、ロザリー・カニンガムといったユーライアヒープに影響を受けた悪魔的なバンドがイギリスでも人気を得ているが、そのような系譜でも語れる楽曲かもしれない。

6.My Underworld
シアトリカルなピアノイントロに導かれるアトモスフィアには、やはり初期Queenを感じてしまう。
また、カオティックなキーボードリフには、イタリアンプログレの重鎮ニュー・トロルスの『コンチェルト・グロッソⅡ』収録のポッププログレ「Le Roi Soleil/太陽王」を思わず想起してしまうし、変幻自在なキーボードソロは、前述のトニー・カレイや、キース・エマーソンの魂が厳然と宿っている。

7.Fight To Fly
今作で最もメタリックなギターリフが印象的なナンバー。そのサウンドは関西ジャパメタの数ある名バンド群に勝るとも劣らないクオリティ。疾走するサビメロや、盛り上がりを見せるソロパートは、ライブでの観衆を興奮の坩堝へと叩き込むこと間違いなしだ。長年ライブバンドとしての力をつけて来た彼らのエネルギーがそのまま真空パックされたような楽曲。

8.Change!
アルバムタイトルナンバーともなる8分越えの大曲。今作で最もシンフォニックで、叙情性に富んだ一曲に仕上がっている。スリリングな曲展開と、穏やかなサビメロの、静と動の対比が実に見事だ。
また2曲目同様、SPiRiTRiALの伊藤威明氏がコーラスで参加しているのだが、不思議とSPiRiTRiAL的な透明感のあるシンフォニックハードな感性も楽曲に反映されている点が実に面白い。
エンディングでの田中氏(Vo)の大団円を思わせる最高の絶唱には、フレディ・マーキュリーの魂が宿っている。
また、個人的にはジャパニーズ・モダーン・プログレでクイーン遺伝子でもあるムーンダンサーの「哀しみのキャンドル」を彷彿とするほど、美しくシンフォニックなエンディングだと感じた。

・・・以上、偏った自身の音楽趣味に従いレビューをしてみたわけだが、今作『CHANGE!』の魅力の一端を紐解く事さえ、出来たとは思えない。

ALL IMAGES BLAZING『CHANGE!』の多くの旋律には、更なる秘密が隠されているし、その奥深い音宇宙への旅は今作を聴いて、その身を委ねる事以外には感じ取ることは出来ない。

今作は長年プログレッシブ・ロックや、その他多くのジャンルの音楽に触れて来た真摯なリスナーであればあるほど、筆舌に尽くしがたい感動を、感じとる事が出来るだろう。

2022年、世界のプログレ界・ロック界に燦然と輝く『CHANGE!』という名盤を産み落とした、ALL IMAGES BLAZINGの、更なる栄光と躍進を祈らずにはいられないーー。

2022年10月7日
Queen遺伝子探究堂 Varuba

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