『ヒア・トゥデイ!~ソングズ・オブ・ブライアン・ウィルソン』は、60年代のPet Sounds時期のブライアン・ウィルソンの楽曲カヴァーを、編集した良盤である。
年代は60年代当時のモノから、近年に至るまで様々なジャンルのアーティストがカヴァーした楽曲が収められている。良くある、トリビュートアルバムと違って、その時々で、そのアーティストが本気でカヴァーをしているので、聴き応えは満点だ・・・ただ、個人的に、Pet Soundsの楽曲カバーが少なく、食い足りない感じがしたので、独自にペットサウンズの楽曲カヴァーの架空トリビュート・アルバムを創ってみたのだ!!
ラインナップは、以下です。
目次
- 1 Wouldn’t It Be Nice? / Liz Callaway
- 2 You Still Believe In Me / Kirsty MacColl
- 3 That’s Not Me / Vitamin String Quartet
- 4 Don’t Talk / Carmen McRae
- 5 I’m Waiting for the Day (Stack O Vocals) / The Beach Boys
- 6 Let’s Go Away For Awhile / Rockabye Baby!
- 7 The Wreck Of The John B. / The Weavers
- 8 God Only Knows / Betty Everett
- 9 I Know There Is an Answer / The Limiñanas
- 10 Here Today / Bobby Vee
- 11 I Wasn’t Made for These Times / Louis Philippe
- 12 Pet Sounds / The Tremolo Beer Gut
- 13 CAROLINE, NO / Nick DeCaro
Wouldn’t It Be Nice? / Liz Callaway
リズ・キャラウェイは、アメリカの女優さん。ミュージカルや映画も沢山出演している彼女のカヴァー。とても明るく抜けた声が、この楽曲にあっている気がする。
You Still Believe In Me / Kirsty MacColl
カースティ・マッコールは80年代に活躍したイギリスの女性シンガー。無機質な曲調とラストの盛り上がりの対比が絶妙。2000年12月にボート事故で死去している。
That’s Not Me / Vitamin String Quartet
ビタミン・ストリングス・カルテットは、アメリカのストリングスグループ。ペットサウンズの丸々のカバーを出している。その中の一曲。
Don’t Talk / Carmen McRae
カーレン・マクレエはアメリカジャズ界の大御所女性シンガー。彼女のこのカヴァーが、『ヒア・トゥデイ!~ソングズ・オブ・ブライアン・ウィルソン』の白眉ではなかろうか。とにかく素晴らしい。
I’m Waiting for the Day (Stack O Vocals) / The Beach Boys
この曲をカバーしているアーティストがあまりいない模様で、本家からご登場を願った次第。
Let’s Go Away For Awhile / Rockabye Baby!
赤ちゃんに聞かせる、子守唄アルバムの一枚なのだが、この曲をこのアレンジで聴かせるというのが、なかなかと思う。
The Wreck Of The John B. / The Weavers
ウィーバーズは、50年代にアメリカで活躍したグループ。本来トラディショナルであるこの楽曲など、古きよきアメリカを体現。
God Only Knows / Betty Everett
ベティーエヴェレットは60年代に活躍した女性ソウルシンガー。女性ソウルならでわのアレンジになった、この楽曲はとても良い。
I Know There Is an Answer / The Limiñanas
ザ・リミニャナスは、近年のフランスのガレージバンド。近年にしてはレイドバックな音を出している。あまりカヴァー数が少ないこの楽曲を、少しサイケ風味でカヴァー。
Here Today / Bobby Vee
ボビー・ヴィーは60年代に活躍したアメリカン・ポップスシンガー。ドゥーワップやロカビリー畑の方。なかなか伊達男な感じだ。
I Wasn’t Made for These Times / Louis Philippe
ソフトロックファンやポップフリークには有名な、彼。フランス的な、ソフィスケイトされた感覚でカヴァー。ブライアン・ウィルソン傾倒度は、日本の山下達郎レベル。
Pet Sounds / The Tremolo Beer Gut
デンマークで98年にデビューした、トレモロ・ビア・ガット。典型的なサーフミュージックを、ガレージ風味にやるバンドだが、その音色は、リンク・レイにも通じる。タランティーノの映画でも使われそう。この曲をカヴァーしているあたり、憎いセンスの持ち主ではなかろうか。
CAROLINE, NO / Nick DeCaro
イタリア生まれで、アメリカで6~70年代、ポップスとジャズの間を行き来したニック・デカロのカヴァー。ロジャー・ニコルズや、バートバカラック、ジミーウェブなどと同じかそれ以上の才能を有している。このカヴァーはとても静謐で、アルバムの最後を飾るにはとても良い。
2015吉日 Varuba