クイーン遺伝子コンピレーションの6弾が出来上がりました。Vol.1を作成したのが15年ほど前ですので、かなり長い事同じような事を行っております。当時はSNSもなく、クイーン的な音楽の断片を集めるには専らロック誌を紐解くしか方法がありませんでした。しかし時代は流れ、Twitterが登場。多くのミュージック・ラバーの方々がいらっしゃり、多くの情報を与えて下さいました。今作は、そのような方々からお教え頂いた情報を編集してできた一枚です。プログレ、パワーポップ、テクノ、JPOP、など、それぞれの専門分野の方々が、クイーン的な楽曲を紹介くださっており、皆様の博学に驚くと共に、クイーンサウンドのジャンルの広がりに、その功績を感じております。フレディ死後にファンになった自身は、新たなクイーンサウンドへの渇望から遺伝子探究の道に入りました。遺伝子コンパイル作業を今後も継続していきたいと思います。古今東西のクイーン遺伝子のアトモスフィアを、ご一緒にご堪能頂ければ幸いです。よろしければ、お気に入りの一曲や感想を #queendna で呟いて貰えると嬉しいです。
【以下、収録曲解説】
- Funhouse / Roger Joseph Manning Jr.
2018年の5月に Roger Joseph Manning Jr. が 4曲入りEP『Glamping』 をクラウドファウンディングで発表しました。その2曲目が今作。最初のSEが「ブライトン・ロック」しています。 - You / Fantastic Plastic Machine
2003年にDJ 田中知之氏が変名プロジェクトで発表した楽曲。レッドスペシャルや、クイーン風ハーモニーのサンプリングが凄まじい一曲。so-hey(@so_hey_hey_hey)さんに教えて頂きました。 - Jumpstarted / Jukebox The Ghost
2018年に発表されたワシントンのパワーポップバンドの楽曲です。ボーカルもピアノもシアトリカルなサウンドメイクで、パワーポップ以上のパワーを有しております。プリガミ(@pleasegotme)さんに教えて頂きました。 - Una storia d’amore / Juli&Julie
1975年のイタリアの男女デュオの作品です。イタリアらしい朗々と歌い上げる系の曲調と、夢見心地のコーラスハーモニーが『QueenⅡ』時期のサウンドアレンジに被ってきます。イタリアものを漁っていた時に偶然発見。個人的には、相当お気に入りの一曲です。 - If Only I Were Older / Aerial
1978年発表のカナダのバンドAerialの楽曲です。入りのギターリフがジョン・ディーコン作「If You Can’t Beat Them (うちひしがれて)」にそっくり。どちらも78年発表であるので、同時代のシンクロニシティ的なサウンドだったのでしょうか??TurnItOnAgain@Inneson(@Bonzy_Inneson)さんに教えて頂きました。 - Nite on the Tiles / Mud
1976年発表の彼らのアルバム『It’s Better Than Working』から。色物で見られがちなMudですが、大御所プロデューサーPip Williamsが手掛けたサウンドは、いかにもクイーン、Sweet風! Williams は後期のSWEET作品や、ブライアン・コノリーとも共作をしているので、今後掘り下げる価値のある人物です。 - Don’t You Cry No More / Tycoon
1978年ニューヨークから登場した産業ロックバンド。AOR風味で抜けの良いハーモニーでとてもキャッチ―な一曲です。他の産業バンド程知名度はないですが、素晴らしいクイーンサウンドです。このバンドは某有名グラフィック・デザイナー様からお教え頂きました。 - Listen (Can You Feel It) / Touch
1980年発表の一曲。タッチはプログレハードファンの間では、すでに語り尽くされていますが、この曲のハーモニー爽快感は、群を抜いています。以前、レコード屋でチラッと見た時、アナログの帯キャッチに“クイーンを抜く存在だ”みたいな事が書かれていた気がします。 - Delight / Venus & Mars
1998年、千葉県を中心に活動していた伝説のパワーポップバンド。デビュー作に収められている規格外の一曲です。Voと作曲の内田稔氏は永井ルイ氏とのユニットでも活躍。ギタリストの小野寺氏は現在イエモンのヒーセイのソロバンドでも活躍中。ドラムのDewマキノ氏はデキシード・ザ・エモンズのレコーディングエンジニアとしても活躍しています。 - Kimini Mouichido / Vision
らんま1/2のOP曲「ラブ・シーカー」で有名になったバンドの93年アルバム『WONDROUS』から。前作までの大仰な大作路線を引っ込めコンパクトなポップソングが目立つアルバムですが、この「君に夢中さ」はポリフォニックなハーモニーアレンジも含めクイーン度高めのアレンジです。 - Cemburu / Dewa
2000年前後のインドネシアのDewaというバンドの楽曲。本来の彼らの音楽性からあえてジェリーフィッシュ風のオールドスタイルを模したようなアレンジだが、インドネシア特有の乾いたメロディラインと、クイーン風ポップサウンドがとてもマッチしている佳曲だ。 - Invaders From Mars / Crack The Sky
USのB級(?)プログレバンド、クラック・ザ・スカイのアルバム『Animal Notes』からの一曲。流麗なピアノの導入から、シアトリカルなメロディラインと、クイーン遺伝子的な要素を十分に満たしている。かなり昔からマイスペースなどでチェックしていましたが、TurnItOnAgain@Inneson(@Bonzy_Inneson)さんに様々詳しく教えて頂きました。感謝。 - Look At The Freak / A.C.T
1995年から活躍しているスウェーデンのプログレバンド。デビュー当時からプログレ界のジェリーフィッシュ等と評されていましたが、今作はどことなく、チャーリーとチョコレート工場的な空気も。小品だがクオリティ高し。2014年作。 - Heaven On a Bird / Bryan Scary & the Shredding Tears
こちらは2008年発表のアルバム『Flight Of The Knife』から。ブライアン・スカリーは21世紀のポップ・ウィザード等と評されており、若干マニアックに括られがちですが、そのソングライティングの力は、フレディやエルトンに匹敵するのではないかと個人的には思っております。 - Tonight You’re Mine / Eric Carmen
こちらは言わずと知れたエリック・カルメンの1980年のソロ作。アンセム風の楽曲に、ゴスペルタッチのハーモニーが施されており、パワーポップの代名詞の彼がこのようなサウンドアレンジをしていた事に、つい嬉しくなってしまった一曲。 - Per Freddie / La Leggenda New Trolls
イタリアンロック~プログレの重鎮、ニュートロルスの2013年作『Concerto Grosso N3』に収録されている一曲。まさにフレディに捧げた一曲です。若干こもった音源なのが気になりますが、フレディへの鎮魂歌として、今回のコンピレーションを彩る重要な一曲です。 - End Titles The Theme That Got Left in the Car / David Arnold
こちらは、2019年から放映されている英ドラマ『グッド・オーメンズ』のサウンドトラックより。多くの映画音楽を手掛ける デヴィッド・アーノルドのレッドスペシャルサウンドが楽しめます。 - Love is a sweet harmony / Shouko Suzuki
鈴木祥子さんが06年に発表したアルバム『鈴木祥子』から。しっとりしたピアノアレンジ。彼女のクイーン好きも有名だし、この曲はどこかピカデリーサーカスの「愛の歴史を始めよう」みたいな感じを受けております。