羽ばたけっCASANDRA!!新世代オペラポップ・フィメール・クイーン遺伝子シンガー登場!!!

CASANDRA・・・クイーン遺伝子探求堂の店主(Varuba)がその存在を知ったのは、2018年の夏頃だった。プロデューサー兼サウンドコンポーザーの新井健史氏のツイートに貼られていた「KINGDOM」のサウンドは、まさに“オペラポップ”といった内容で、一流のオペラ歌手が、ポップで、壮麗で、シアトリカルな、まさにクイーン遺伝子風な楽曲を奏でており、思わず溜飲を下してしまった。

本格的なオペラポップという観点では、1980年代に活躍したドイツ出身の歌手クラウス・ノミが有名だ。クイーンのフレディ・マーキュリーと同じく、AIDSでこの世を去った最初の著名人としてその名を音楽史に刻んでいるが、彼のオペラ的声楽から繰り出されるポップソングは、80年代のニューウェーブの波にのって、世界中の敏感な音楽愛好家に絶賛された。

クイーンの「ボヘミアンラプソディ」にしろ、10CCの「パリの一夜」にしろ、スパークスにしろ、オペラ風であったり曲調をオペラ風味にしたモノは沢山ある。しかし、ポップシンガーそのものがオペラ的歌唱法を有しているケースは、ごく稀である。 90年代初頭にアメリカのメロディックハードロックの畑から、クイーン初期のプロデューサーであるロイ・トーマス・ベイカーのプロデュースでデビューしたモーツァルトのVo.アダム・パスコウィッチが元々オペラ歌手だったという事で、少し話題になった。確かにレンジの広い声域や、コーラス部分にオペラを感じる。

男性シンガーの“オペラ歌唱 × ポップ・ロック”といったモノはあったが、女性となるとあまり前例がない。 2009年ごろ、4オクターブの音域をもつ歌唱力で、元タカラジェンヌのLIV MOONが話題になった。プロデューサーはクイーンサウンドを作らせたら右に出るものはいない重鎮、西脇辰弥氏だ。永井ルイ氏なども楽曲提供に加わっており、日本メタル界におけるフィメールクイーン遺伝子の先鞭をつける形となったが、オペラ唱法というまでではなかった。

テクノシーンでは90年代にジ・エキセントリック・オペラが活躍したが、女性オペラ歌手のクイーン遺伝子的ポップサウンドはほぼ前例がなく、カサンドラの登場で、シーンは新たな力を得たと言っていいだろう。

また、コンポーザーの新井健史氏の作るサウンドの中には、元祖クイーン遺伝子としてお馴染みのロビー・ヴァレンタインや、ヴァレンシアのオマージュが散りばめられている事に大注目だ! 例えば、PS4ゲーム「まいてつ」のテーマ曲「未来行き☆列車」は、ヴァレンシアの「サンダーボルト」的シンセサイザーリフがあり、ファンであれば、ニヤリとしてしまう。

また、最近MVが公開されたばかりの、最新アルバム『CASANDRA』からのリードトラック、その名も「CASANDRA」は、ロビー・ヴァレンタインの「Back On the Track」や、ボヘミアンラプソディのMVからの影響を、色濃く反映している。

ふと、ファーストアルバム「CASANDRA」のブックレットを手に取ってみると、作詞をカサンドラ自身が手掛けている事に気が付く。歌詞は哲学的な内容や、メルヘンタッチな世界観、ポジティブで前向きな気持ちなど多種多様で、自身が歌いたい事を歌っているシンガーソングライターとしての側面も垣間見る事ができる。“ベルカント唱法を操るオペラ・フィメール・クイーン遺伝子・シンガーソングライター・ポップス(!)”という、無双的ジャンルを確立している!!

もはや、日本のゲーム音楽、アニメ音楽は、アンダーグラウンドな存在ではく、メジャーな音楽表現の場として、既成の方法論を転換している。その中から、永井ルイや菅野よう子といった面々が、クイーン風味を忍ばせながらも、売れっ子ミュージッククリエイターとして大活躍している点は見逃せまい。

ゲーム音楽クリエイターとして、長年のキャリアを持つ新井健史氏とのコラボで、新世代の歌姫カサンドラはこれからも様々な活躍の場を広げてほしいと願う。 クイーン遺伝子アワード2018の覇者、カサンドラの快進撃は、まさに始まったばかりである!!!

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