近年のRollyの活躍には目を見張るモノがある。
1996年のすかんち活動休止から、独自のエンターテイナーの路線を歩み始め、ミュージカル役者、プロデューサー、ギタリスト、俳優、タレント業と、ありとあらゆるメディアで、道化師として自身を、表現しているように見えた。
近年は、シャンソン歌謡にも力を入れたりして、ライザミネリ的フレディ・マーキュリー世界への没頭を強めて行き、出自のロック路線がやや薄れてきたのかと思いきや、すかんち再始動や、卍の結成、グラムロック歌謡など、 ニッチでキッチュでマニアックなオカマロックンロール野郎としてのエネルギーを放出してくれて、好事家のファンには大変にありがたい限りだ。
そんな中、彼のキャリアの中でも、かなりエポックメイキングなのが、谷山浩子との共作アルバム『からくり人形楽団』だった。
異色のコラボレーションであらためてRollyの才能に感嘆すると共に、彼は、オリジナルで何かを創り出す、というよりも、マッシュアップの天才なんだ、という事に、改めて気がつかされた。
道化師としてのRolly、ギタリストとしてのRolly、も魅力的だが、マッシュアップの天才Rollyという観点で彼を見てみると、
彼の特異な才能が更に浮き彫りになるのではないだろうか?
以下、すかんち時代の数例として。
「恋するマリールー」
The Raspberries – Play Onと Queen – Now I’m Here の マッシュアップ作品
※曲そのものはPlay Onを使いつつ、ギターのリフやコーラスアレンジをNow I’m Hereを自然にくみこんでいる。
“Play On” The Raspberries
+ “Now I’m Here” Queen
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「お前は俺のもの」
AMEN CORNER – IF PARADISE IS HALF AS NICE と Paper Lace – Billy don’t be a Hero をマッシュアップ
※全体はAMEN CORNERで、サビはPaper Lace。全体的にソリッドなハードロックに仕立てている。
“IF PARADISE IS HALF AS NICE” AMEN CORNER
+ “Billy don’t be a Her” Paper Lace
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その他、一曲ものの日本語アレンジ変えバージョンのようなものもある。
「顔のない目」
“Gamblin’ Bar Room Blues” Sensational Alex Harvey Band
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「恋は最後のフェアリーテール」
“Romeo” Mr Big
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「ハッピーウェディング」
“Happy In The Lord” Stackridge
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・・・・と、ごくごく一例を上げただけでも、Rollyの中に蓄積されたコードの似ている曲を、合体させたり、または元曲のコードそのままを使いながらも、ソリッドでかっこいいアレンジに産み変えて、オリジナルを創っている事に気がつく。
Rolly作品のこうした作風は、古今のロックレジェンド達へのオマージュに彩られており、まったく、いやらしい感じがしない。
たとえば、Beckが、いろんなレコードをサンプリングしてオリジナルを創るような感覚の、
もっともっと血肉から出てくるようなモノに近いのではないだろうか???
ともあれ、Rollyのこの才能を如何なく発揮し続け、更に多くの名アレンジを生み落とし続けて欲しいと願うばかりなのである!!!