That’s Why God Made The Radio ~神の創りしBB5最高傑作~


オリジナルメンバーによるビーチボーイズ奇跡の再結成盤「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~」を繰り返し聴いている。

ペットサウンズや、スマイルにやられたポップマニア、ビーチボーイズファンの自身にとって、このアルバムは、中々捉えにくい一枚でもあった。

ブライアンウィルソンの完全プロデュースという嬉しいニュースではあるが、明らかに若かりし頃のソングライティング力や、才気を失っているブライアン。美しいファルセットさえも老化には勝てず、老醜をさらしている昨今、果たしてどれほどのサウンドの完成度が期待できるのか?

また、オリジナルメンバーの老化もあり、長年ハーモニーを重ねてきたメンバーのミラクルは期待しつつも、単純な懐古主義的なモノに納まってしまうのではないか?

カールやデニスのいない、ビーチボーイズの紡ぐハーモニーは、本来のそれと比べるとどうしても聴きおとりしてしまうでのはないか?

さらに、長年訴訟問題などで、確執を抱えてきたメンバーが、再び同じステージに立ちアルバムを作成するという、ある種の“絆の復活的”な美名に惑わされ、肝心なサウンドの芸術性は、どうなのか?

・・・などなど、聴く前からハラハラドキドキしながら、耳を傾けた。
一通り流して聴いて、正直ピンとこなかった。やはり、嫌な予感が的中してしまったか??

イマジネーション頃のブライアンのソロアルバム的なポジティブさはあるものの、ペットサウンド、サンフラワーなど、当時の名盤ほどのサウンド的工夫が伝わって来ない。
また、やはり、ブライアンやマイクの年のとった声も気になる(アルのボーカルは相変わらず若々しい)・・・などなど。

しかし、タイトルトラックの「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ」はオールディーズ的雰囲気が漂うも、ハーモニーアレンジが素晴らしく、ついつい何度も聴いてしまう。
ついつい、悔しくなり、今度はヘッドフォンで歌詞カードを眺めながら何度も試聴。

ん?、、あれ?、、

この感じ、なんかデジャヴュ感。

そうだ、「ペットサウンズ」を初めて聴いた時もこんな感じだった。
初めて聴いた時はなんだか、よくわからず。悔しくて、何度も聴いているうちに止めれなくなった。

ひょっとして・・・・
③「今がその時」の歌詞に“ステディな関係に戻ろう”

④「スプリングヴァケーション」の歌詞には“僕らはまた一緒になれた”“過去は置いてきた”

と歌われた時に、まるで、ビーチボーイズの50年が、すべて計算されて、このアルバムに終着したようなコンセプト感を感じずにはおれず、グッと来てしまった。

⑩「バックアゲイン」のブルースジョンストン風大人メロウなソフトロック的サウンドは、良く聴くとブレイクや転調がありハイセンスなアレンジだ。

⑫「過ぎゆく夏」ではペットサウンズを思わせるサウンドをちりばめながらも、“僕らは生き死んでいく過ぎ去った昨日の夢を見る”と歌われた時には、自身の余生を感じながら歌うメンバーと、逝ってしまったカールとデニスに思いをはせながら、残されたビーチボーイズ達が全力で、ハーモニーを紡いでいるのだという事がわかった。
やばい、この「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~」は、単純なビーチボーイズ再結成のメモリアルな盤を超えて、
「ペットサウンズ」をしのぐ、ありえないほど悲しく切実で美しい、50年の悲喜こもごもを乗り越えてきた爺ボーイズにしか創りだせない、コンセプチュアルな“最高傑作”なのだ。

 

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