“That Lucky Old Sun” ~Brian Wilson’s Smile Symphoniaと紡いだ完全勝利の決別宣言!~


ビーチボーイズの奇跡の再結成&50周年盤『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ』が2012年に発売された。

そのサウンドプロダクションの完成度と、ありとあらゆる紆余曲折を経て、再び紡ぎだされたハーモニーに、誰もが酔いしれた。

自身もそんな、ポップマニアの一人ではあるが、2008年に発表されたブライアン・ウィルソンのソロ作『ラッキー・オールド・サン』をまだチェックしていなかった事に気が付き、レコード屋に猛追撃したのである。

1998年の『イマジネーション』で完全復活を遂げた、アメリカン・ポップ・レジェンドのブライアン・ウィルソン。

2004年に『ゲティン・イン・オーヴァー・マイ・ヘッド』でポール・マッカートニーやエリック・クラプトンとの共作で肩の力の抜けたソングライティングを披露し復調をアピール。

そして、ブライアンを30年以上、奈落の底にたたき落とした“微笑み”にリベンジを果たすべく、
2004年に、遂にブライアン・ウィルソン盤の『スマイル』が完成し、すべてのポップマニアの溜飲を下した。

ジェフリー・フォスケットや、スコット・ベネット、ダリアン・サハナジャといった、腕利きミュージシャンの全面バックアップの元、ついに幻の全貌が明らかとなった。

(2011年には、ビーチボーイズの音源での『スマイル』も発売され、めでたしめでたし・・)

2004年から『ラッキー・オールド・サン』が発売される2008年までの間、ブライアンとその腕利きバンドたちは、『スマイル』完全再現のライブツアーやら、『ペットサウンズ』再現ライブツアーなど、ブライアン・ウィルソンが生み出した、珠玉のウォールオブサウンドの再現に取り組み、見事彼ら新生ブライアン・バンドの血肉に変えて行った。

何より、すべての呪縛から解き放たれたブライアンのクリエイティビティが、見事にどのシーンにおいても発揮されていった。

その余波を受けて、生み出されたのが、ブライアンの自伝的アルバムである『ラッキー・オールド・サン』なのだった。(正直、個人的には、『スマイル』で満足してしまい、その後のブライアンのソロまで触手が動いていなかった感も)

『ラッキー・オールド・サン』は、66歳のブライアンに、20代半ばのバリバリのアレンジャーの頃の情熱がそのまま宿った、不思議な一枚だと思う。『スマイル』の呪縛から解き放たれつつも、その先鋭的なサウンドを、腕利きの若いミュージシャンたちと、紡ぎあげる事で、40年前のエネルギーが老ブライアンの魂に宿ったような感じ。

スマイルにあった、重苦しい雰囲気はなく、サニーカルフォルニアを象徴する、太陽を感じるポップな組曲的アルバムだ。サウンドの質感は、やはり前作のブライアン盤の『スマイル』が一番近い。本作の作者のクレジットは、“Brian Wilson”ではなく、“Brian Wilson’s Smile Symphonia”だと、もっとぴったり来たと思う。

ヴァンダイク・パークスも作詞で参加しているし『スマイル』を完全再現するバンドと共に作り上げた、カリフォルニアの太陽の下で自身の過去も何もかも“大笑い”して、笑い飛ばず、完全リベンジを果たした一枚。聴いていて、気持ちがいいのは、そういう所なんだと思う。

40年という時間はかかったけど、ドラッグ中毒、アルコール中毒、過食症、神経衰弱の、闇から復活して、自分の過去にリベンジを果たした完全な勝利宣言のアルバムだったんだな。その勝利の証が、今年2012年のビーチボーイズ再結成に繋がったんだと思う。

ブライアン・ウィルソンの連続勝利を祈り続けずにはいられまい!!!

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください